fc2ブログ
松本清張「不安な演奏」あらすじと感想など、小説のあらすじや面白かった本の感想ブログです

松本清張「不安な演奏」あらすじと感想

いかがわしい旅館で秘かに録音されたいかがわしい場面。
しかも、男ふたりという組み合わせ。
「クロクロだね」宮脇平助は、このテープを提供してくれたというか、提供させた飲み屋の女将にそう言った。

(いきなり、出だしからお下品ですみませんm(u_u)m
でも、清張先生がそうお書きになっておられるので、悪しからずご了承ください。
又、この作品は1961年に発表されたものなので、ラブホテルなどという洒落たものはありません)

宮脇は、期待にワクワク胸を高鳴らせてスイッチを入れた。

『男と男の色模様。
一体、どんな会話が出てくるか。
どのような物音がするだろうか。
齢は分からないが、どうせ、ひとりはなよなよした男で、もうひとりは中年の変態男にちがいない』

ところが、耳を澄まして聞いている宮脇に聞こえてきたものは、いかがわしいどころか、男ふたりによるとんでもない相談だった。

《例のを早く始末する》
《消すのは簡単、こりゃ何とでもなる。
だが、問題はあと始末だ。
たいていの場合、モノから足がつくからな
今頃の寒い季節に砂浜に埋めてしまえば、たとえ夏に発見されても、その時は分からなくなっている》
そのあと、埋める場所が茅ケ崎の海岸とか、甲府の山とか、新潟県、柏崎にある鯨波の海岸の洞窟とか、色々候補が上がっていって、そのあと録音はプツリと途絶えている。
「鯨波」
鯨波海岸の洞窟

宮脇は呆然とした。
明らかに殺人計画の打ち合わせではないか。
内容を聞いていると、迫真性があるし、雑音といい、話の切れ具合といい、とても芝居とは思われない。
このまま、捨ててはおけない。
といって、この録音を警察に持って行っても、警察とは事件が起こってから捜査活動をするところなので、どうしようもないであろう。

宮脇は思案した。
そして、自分ひとりが秘密を知っているというひそかな愉しみを当分持ちつづけたいという誘惑にかられて、調査に乗り出すことに決め、候補に上がっていたその土地に行ってみることを決心する。
「椎谷」
宮脇が訪れた土地のひとつ新潟「椎谷」

宮脇は独身の上、実家はかなりの資産家で、給料を自分一人で使ってしまっても問題ないのだ。
それに雑誌編集者なので、あちこち出歩いても取材という口実がある。

だが、秘密を誰かに話してしまいたいという誘惑に負けて、知り合いの映画監督、久間隆一郎に録音のことを話してしまう。

久間は、職業柄か好奇心が強く、この録音の内容にひどく興味を持ち、柏崎くんだりまで鯨波海岸の洞窟を見に行くが、そこで偶然のように葉山という青年と知り合う。
そして、葉山と宮脇が協力し合って調査を進めていくという成り行きになるのだが、この葉山という青年は何かを掴んでも、宮脇に隠すことがなぜか次第に多くなっていく。

その頃までは、久間も宮脇も、録音にあった殺人はまだ起こっていないと思っていたが、久間が柏崎で新潟の地方新聞を見ると、眠気がいっぺんに醒めるような記事にぶつかる。
「蒼海ホテル」
清張氏が取材のため泊まった「蒼海ホテル」
新潟県柏崎市鯨波2丁目1の10
作品中では青海荘ホテルという名で登場する

年齢24、5歳と思われる女性の溺死体が発見されたのだ。

録音の内容が、俄然真実味を帯びてきたのである。
だが不思議なことに、溺死体に該当するような失踪届や問い合わせが一向にないのである。

そして、その溺死体のスーツのポケットから、使いかけの東京京王線の回数券が発見され、その回数券を調べていくうちに南田広市という区会議員が浮かび上がってくる。
南田は現国務大臣秋芳武治の子分で、しかも秋芳武治は不起訴になったとはいえ選挙違反問題で話題になっている真っ最中だった。
更に、秋芳の選挙総括責任者の千倉という男が目下行方をくらましているという、きな臭い事実が浮かび上がってくる。

そして、次の事件が起こる。
蒲団にくるまれた、南田の絞殺死体が発見されたのである。
更に、南田の娘、菊子が行方不明となる・・・

松本清張「かげろう絵図」あらすじと感想

松本清張「カミと青銅の迷路」あらすじと感想

松本清張「火の路」あらすじと感想

松本清張「神々の乱心」あらすじと感想

松本清張「Dの複合」あらすじと感想

松本清張「ゼロの焦点」あらすじと感想

松本清張「告訴せず」あらすじと感想
Ads by Google

このエントリーにお寄せ頂いたコメント

URL:
コメント:
 

このエントリーにお寄せ頂いたトラックバック

このエントリーへのトラックバックURL
http://interestingnovels.blog.fc2.com/tb.php/174-19b57829
このエントリーにトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Copyright © 小説あらすじなう All Rights Reserved.
《ブログ管理人;どらねこりん》
[PR]